子供に腹痛や下痢が続いた場合に疑うべき病気とその対処法、また病院へ行くべきタイミングとは。
子供は腸の発達が未熟なので、頻繁に腹痛や下痢を起こすことがあります。
回復しても、また1週間後に下痢が続くなんてこともしばしばです。
我が子が下痢で苦しんでいる姿をみているのは、とても辛いですよね。
ただ、下痢にも軽度なものから重度のものまで様々で、どの時点で病院へ行けばいいのか迷うこともあると思います。
そこで、腹痛や下痢が続いているときに疑うべき病気と対応、病院へいく目安などをまとめてみました。
子供の腹痛や下痢が続いた時に考えられる病気
【過敏性腸症候群】
過敏性腸症候群は、原因は未だに原因が解明されていない疾患ですが、何らかの刺激で腸が過敏になって腹痛・下痢・便秘などの症状を引き起こすものです。
この過敏性腸症候群は、大人にも多くて5~10人に1人はこの病気に感染されていて、現代病の1つになってきています。
子供のような低年齢でも引き起こしてしまう病気で、原因不明とされながらも、ストレスによる因子が強いのではないか?という見解もあるようです。
過敏性症候群になりやすい人の特徴として
- 几帳面な性格
- 真面目な性格
- 頑固な性格
- 心配性な性格など・・・・
このような性格の人は、ストレスを人一倍感じやすく発症しやすいそうです。
子供の場合も同じで、こういった性格の子はとくに注意が必要です。
また子供の場合は、男の子のによくありがちな事なのですが、学校などでトイレに行きたいのに個室に入ることを引け目に感じてしまうようです。
そして、周りの目を気にしてしまい、結局我慢するという選択をすることが多いようです。
なので、そのことがストレスの原因になって発症する場合もあります。
子供の場合には良くも悪くも繊細なのでこういう場面に遭遇すると、『次もお腹が痛くなったらどうしよう?』など不安が積み重なってしまいます。
なので、溜め込む前に保護者や周りの大人達のフォローが必要不可欠です。
《対応の仕方》
対応の仕方としては、やはり精神的なものからきているか本人の言動などからまずはチェックしてみましょう。
普段から不安に思っている事などを聞き出せるような雰囲気作りが大切です。
聞くと言っても、ストレートに『不安に思っていることは何かある?』と言ったとしても逆に答えられなくなってしまう場合が多いです。
なので、会話をたくさんする中で保護者が気になる部分に対して、子供に会話の中からをさりげなく聞いて、話を広げるようにするのがベストです。
後は、腸内環境を整える事も大事なことです。脂っこいものや、甘いものの取り過ぎも下痢につながるので、食生活にも気をつけましょう。
【ウイルス性・細菌性の胃腸炎】
《ウイルス性胃腸炎》
- ノロウイルス
- ロタウイルス
- アデノウイルス
上記3つが代表的なウイルス性の胃腸炎といえます。
《細菌性の胃腸炎》
- 食中毒
細菌性の場合代表的なのは食中毒です。
夏場に多いO-157や、ブドウ球菌、カンピロバクターなどの細菌が原因となります。
細菌性の場合は急性なものが多く劇的に症状が出て2~3日以内には腹痛や下痢は止まるでしょう。
子供の場合に多いのは【ロタウイルス】【アデノウイルス】の2種類です。
【ロタウイルス】
生後6ヶ月〜2歳の乳幼児に多くみられ、5歳までには大半の子どもがかかります。
好発時期は2月から3月にかけての冬の時期。
経口や接触感染で、感染力が強く、保育園や幼稚園など子供の接触が多いところで集団感染しやすいです。
症状としては激しい嘔吐や下痢、39℃以上の発熱です。
便の色が白色になることがあり、大量の水様便が出ます。
これらの症状は大体3日から1週間以内に治まることがほとんどです。
【アデノウイルス】
3歳未満の乳幼児に多く,とくに0歳児が最も多く発症します。
好発時期はなく、通年性に発症します。
症状は比較的軽症で済むことが多いのですが、下痢が長引く傾向があります。
ノロやロタのように激しい下痢ではないですが、10日以上続くこともあります。
《対応の仕方》
ロタウイルスは予防接種で防ぐ事ができます。
しかし、残念ながらアデノウイルスの予防接種は、日本ではできません。
症状が出たらすぐに病院へ行きましょう。
感染を拡大しないためにも、手洗いやうがい、消毒はこまめにしましょう。
また、どちらの胃腸炎も根本的な治療薬はなく、整腸剤や脱水を起こさない為の補液など対処療法です。
子供が下痢をして辛そうにしますが、市販の下痢止めなどは絶対に服用させてはいけません。
下痢でウイルスを排出させて完治するので、無理に止めてはいけないのです。
ただ、下痢が続くと脱水に陥りやすいので、こまめに水分補給を忘れないで下さいね。
病院へ行くタイミング
《早急に病院に行くべき時》
- 激しい腹痛を訴えている時
- 高熱や嘔吐を伴う場合
- 元気がなくぐったりしているとき
- 1日に10回以上出る場合
- 月齢が低い赤ちゃんや子供
- 下痢が生臭かったり何か腐ったようなニオイがしたとき
- 下痢に血が混ざっているとき
- 水分が取れないとき
上記であげたものは、ウイルス性や細菌性のものによって下痢を引き起こされている状態だと考えられます。
何度も繰り返しますが、下痢は菌を排出するために出すしかないので、辛そうだからといって市販の下痢止めなどを与えてはいけません。
上記のような場合は緊急性が高いので、早めに病院を受診しましょう。
少し様子を見ていても大丈夫な時
- いつもと変らず元気
- 症状が下痢のみ
- 少量ずつ水分が取れている
上記のような様子の時には、比較的大丈夫な下痢の時です。
子供は腸の発達が未熟で、大人よりお腹を壊しやすいです。
普段と変らず元気であれば2~3日様子をみても大丈夫ですが、その際にはこまめな水分摂取を忘れずにしましょう。
しかし、大丈夫そうと見えても長期的に続く下痢の場合だと、精神的にも体力的にも苦痛を感じやすいため、早めに病院へ受診しましょう。