血圧の正常値かどうかの判断は、低血圧か高血圧よりも上下の差がどれくらいかの方が重要!
皆さんは、普段血圧を測ることってありますか?
今は機械で簡単に測れるので非常に便利ですよね?
でも、結果がプリントアウトされて出てきますが、その結果が自分にとって良い結果なのか、悪い結果なのか分かりますか?
血圧を測って正常値から外れ、数値が高いと高血圧、低いと低血圧と一般的に呼ばれていますが、大事なのは高い低いということではないのです。
確かに血圧が高いことは良くありませんが、上の血圧と呼ばれている収縮期血圧と下の血圧と呼ばれる拡張期血圧の差で、病気のリスクを予測することが出来るのです。
これらの差が大きくて数値が高いほど、動脈硬化が進行している可能性があり、それに伴い心疾患・脳血管障害などの病気を発症リスクが高まるのです。
そこで今回は、低血圧・高血圧ということより大事な上下の血圧の差の仕組みや正常値など、血圧にまつわる話をご紹介します。
上の血圧・下の血圧とは?
血圧を測定して医師や看護師などから、上の血圧は○○で、下の血圧は○○でと聞くことも多いのではないでしょうか?
また、機械で測ると上下の血圧が両方表示されていますよね?
しかし、なぜ上下で分かれているのでしょう?
そして、どういった意味での血圧なのか普段計測しない人には、とても不思議に思います。
そこで、簡単に説明させて頂きますね。
上の血圧=収縮期血圧
心臓が、ポンプ機能の役目を果たしているのはご存じの方も多いと思います。
心臓は、収縮と拡張を繰り返して全身へ血管を通して血液を全身に送り出しています。
心臓が収縮している状態の時には、心臓から一気に血液を送りだそうとしている時です。
そして、心臓に溜まっていた血液が血管へ一気に流れていくので、血管にかかる圧力が高まります。
圧力がかかっているということは、血圧が高くなっているということです。
この時の収縮期血圧は、最大に血圧が上がっているので最高血圧とも呼ばれたり、上の血圧と呼ばれたりしています。
下の血圧=拡張期血圧
収縮していた心臓が、今度は拡張するとそこに血液が戻ってきます。
血液が心臓に戻ってくるので、特に押し出す力は必要ないので血管に圧力がほとんどかかりません。
圧力がかからないと言うことは、血圧も低い状態なのです。
拡張期血圧は、最も血圧が低い状態なので最低血圧と呼ばれたり、下の血圧とも呼ばれたりします。
収縮期血圧・拡張期血圧の差が大事
収縮期血圧と拡張期血圧の差を【脈圧】と言います。
脈圧の正常値は30~50ぐらいで、この間であれば問題はないですが、これを下回っても、上回っても良くないとされています。
特に60を超えると、心臓に近い太い血管に動脈硬化の傾向があって要注意と言われています。
また、脈圧と同様に大事なのが、【平均血圧】です。
平均血圧は大動脈や動脈にかかる圧力を調べるものであり、心臓から遠い細い血管に動脈硬化の傾向が分かります。
高血圧・低血圧というより、これらの指標をもとに動脈硬化の程度を知ることで、動脈硬化がもたらす心筋梗塞や脳梗塞などの危険を予防していく事が大事なのです。
脈圧や平均血圧は、自分でも簡単に計算する事が出来ます。
毎日血圧を測ってデータをとることも心疾患の予防につながります。
《脈圧の計算式》収縮期血圧-拡張期血圧=脈圧
※正常30~50。60以上で動脈硬化が進んでいる可能性あり要注意
《平均血圧の計算式》(収縮期血圧-拡張期血圧)÷3+拡張期血圧=平均血圧
※正常90未満
血圧を測るのに適した時間
血圧は、1日の中で変動があります。
ですので、血圧を測る場合には出来るだけ同じ時間に測定する事が望ましいでしょう。
血圧は朝が最も低く、日中上がって就寝時に向けて緩やかに下降していきます。
そこで、測定するのは朝と夜の1回ずつ計2回測定すると良いでしょう。
必ず決まった時間に測定するのが、正しい方法です。
朝の測定の仕方
起床後1時間以内に測定します。
排泄は我慢すると血圧が上がりやすいので、排泄は必ず済ませておきます。
食事を取った後は、血圧が上がるので食事前に行います。
夜の測定の仕方
夜は、就寝する1時間前ぐらいに測定します。
入浴後や食事後は、血圧が上がっているので避けて下さい。
※後は、体調が悪いときや日中に測って見るとどれだけ変動があるのか分かるので、定期的に測ってみましょう。