腎結石とはどのような症状が出て、治療にはどんな方法があるのでしょうか?
腎結石とは尿路結石の1つですが、年々患者数が増加していると言われています。
生活習慣や食習慣の変化によって、生涯のうち10人に4~5人は患うとも言われていて、腎結石も人ごととは言えなくなってきました。
一般的に、尿管結石は激しい痛みなどが特徴的ですが、腎結石の場合にはどのような症状が出るのでしょうか。
また、症状が出たときに行われる治療とは一体どんなものなのでしょうか。
確率的には高い確率ですので、症状について詳しく知っておくことにより、不安が軽減されるかと思います。
そこで今回は、腎結石の症状や治療法などご紹介していきます。
腎結石とは
腎結石というのは、腎臓の中に結石ができたことを意味します。
もう少し詳しく説明していくと、腎臓は握りこぶしぐらいの大きさで、そらまめのような形をしています。
腰の辺りに、左右対称に1つずつあるのが特徴的です。
腎臓は、血液をろ過して不要なものを体外へ排出するための尿を生成したり、血圧の維持をしたり、骨の生成を助けるビタミンDの活性化などの生命維持にはかかせない重要な臓器です。
その腎臓の中に、シュウ酸カルシウムという物質が主な原因となり、結晶化が起こり時間とともに結石を作ります。
腎臓は、結石が出来る場所によって呼び名が変わります。
腎杯にに出来たら腎杯結石、腎盂に出来たら腎盂結石と区別して、呼ばれることがあります。
また、腎杯と腎盂の間に隙間がないほどの結石ができると、サンゴのような形に見えるので、サンゴ状結石と呼ばれる腎結石もあります。
腎結石の症状
腎結石の場合には、実は自覚症状がほとんどないと言われています。
そもそも腎結石のほとんどは、腎臓の中に結石があるので、結石が移動しない限りは痛みが出現しにくいのです。
もちろん、腎杯や腎盂にも同様のことが言えます。
特に腎杯結石の場合には、ほとんど自覚症状はゼロで、腎盂結石でもなんとなく腰辺りがだるいかなという軽度の症状なのです。
結石が出来たら痛いというのは、腎臓にあった結石が尿管の方へおりてきて、尿管が詰まってしまう尿管結石の場合です。
腎結石が尿管までおりてきたら、体外へ排出されるまで痛みが続くと言われています。
この痛みは、背中から腰のした辺りまで激しい痛みとなり、腎疝痛(じんせんつう)とも呼ばれています。
腎疝痛が起きると、腹痛だけではなく、吐き気や嘔吐、血尿、めまいなどの症状も現れることが多いとされています。
腎結石の診断
腎結石は、腎臓にあるだけで自覚症状がない場合の多くは、健康診断や人間ドックなどで発見されることが多いです。
また、腎疝痛のような症状がある場合には、レントゲン、エコー、CT、採血、尿検査などを行います。
上記の検査で、大体結石があるかないか判断できるのですが、それでも診断が難しい場合には、造影剤を使って検査をします。
造影剤を体内に注入することで、腎臓の形や尿管などの形をはっきり映し出すことが出来て、詳しく検査が出来るようになります。
腎結石の治療
腎結石は、尿管結石の治療と基本的には同じです。
- 自然排石
- 体外衝撃波砕石術
- 経皮的腎結石摘出術
- 経尿道的尿管結石摘出術
【自然排石】
腎結石の大きさが1㎝以下の小さいものだった場合、積極的に水分を飲んだり、お薬で石を溶かしたりして自然に排石されるように促します。
小さいものであれば、自然排石だとしてもほとんど痛みがないと言われています。
【体外衝撃波砕石術】
機械を使って、体外から衝撃波を与えて、体内にある石を小さく砕きます。
砕いたもは、自然に排石されるのを待ちます。
結石が大きかったりサンゴ状結石の場合には、この方法と経皮的腎結石摘出術が併用されることが多いです。
【経皮的腎結石摘出術】
背中に約1cm程度の穴を腎臓にまであけて、そこから内視鏡を挿入し結石を取り除いたり、超音波装置で破砕し吸引します。
【経尿道的尿管結石摘出術】
尿道から直接カテーテルを挿入して、内視鏡下で粉砕、摘出する方法です。
そんなに心配するような病気ではありませんが、石の大きさによっては、尿管を通るときに激しい痛みを伴いますので、水分をかなり多めに取る様にして早めに体外へ排出してしまうのがBESTだと思います。