台風発生のメカニズムはどうなっている?またその進路には何が影響してるの?
日本で台風といえば、夏から秋の初め頃にかけて集中して上陸するイメージですが、その台風が近年では日本本土に大きな被害をもたらすケースが増えています。
特に近年になってから急に台風が増えたわけではないのでしょうが、被害状況が大きくなっているのと、勢力が大きい台風が増えているような印象を受けます。
そこで気になってくるのは、台風発生のメカニズムです。どのような場所で、どのようにして台風は発生するのか?また、なぜ最近は大型のものが多いのか?
それ以外にも、過ぎ去ったあとにまたすぐに台風発生など同時期に多発する台風の数に驚くことも多いと思います。
また台風が発生すると、必ずと言ってよいほど日本の近くへ進路を進めているので、台風が近づくと天気予報などでも進路予想というのが頻繁に放送されるようになります。
このように、台風は進路によっては日本のどこかへは上陸していて年々数が増えているそうで、台風は日本に住んでいる限りは避けては通れないものとなっています。
そこで今回は、台風発生のメカニズムや台風の進路への影響などお伝えしていきます。
そもそも台風って何?
『台風』と一言で言っていますが、実は台風というのは熱帯の海上で発生した低気圧のことを指しています。
この低気圧を熱帯低気圧と呼び、台風と呼ばれる熱帯低気圧には以下のような定義があります。
最大風速(10分間平均)が、およそ17.2m/s(34ノット、風力8)以上のものを「台風」と呼びます。
この定義からみると、結局のところ台風というのは、風の強さの影響によって決められています。
どんなに風が強くても定義上、風速が17.2m以下であれば、台風と呼ばれることはありません。
台風発生のメカニズム
台風は、先ほど説明したとおり、熱帯の海上でしか発生しません。
熱せられた海水面から水蒸気が生じることが台風となる始まりなので、熱帯の海でなければなりません。
熱帯の海の目安ですが、海面の温度が26℃以上で日本の南海における南北の温度傾度が比較的小さいことが重要になってきます。
このことを踏まえて、発生のメカニズムを説明していきましょう。
①海水の面の水が太陽の光によって温められて蒸発し水蒸気へと変化する
②空気より軽い水蒸気が反時計回りで回転しながら上昇し気流を作る
③上昇気流が上空で急激に冷やされて大きな積乱雲を作る
④地球の自転によって発生する力が、積乱雲に働いて雲のうずを作る
⑤④が大きな渦となり熱帯低気圧として変化する
⑥熱帯低気圧の中心部で風速が秒速17.2m以上になったときに台風として変化を遂げる
簡単にですが、このようなメカニズムで台風が発生されています。
台風の進路
日本に多くやってくる台風は、フィリピンやインドネシアのある熱帯の海上で発生したものが大きく影響しています。
意外に思われるかもしれませんが、そもそも台風は1年中発生しています。その中で日本に来るのが、夏から秋の初め頃に発生するものという事です。
その大きな理由としては、日本では夏の終わりが近づいてくると、太平洋高気圧が弱まってきます。
太平洋高気圧はいわば、夏の暑さ(気温)を助長しているもので、それが弱まった時期になると集中して台風が日本へ向かって来ます。
ちなみに、台風は高気圧の周りに沿って右回りに流されてくるので、秋が近づくと高気圧が日本の東側へずれていき、台風が北上する進路が空くために日本に近づきやすく、そのまま上陸するケースが多くなってくるのです。
そして、日本に上陸する台風なのですが、基本的に進む速度は早く日本に上陸してから1日も経たずに半日程度で流れていきます。
その理由として、偏西風の影響があります。日本の上空には偏西風が西から東の方へ流れています。
さらに、日本に上陸する台風の場合、高気圧の向きが南側に位置しているので、高気圧の周りに吹く右回りの風が偏西風の向きと一致するため、さらに風の回転の速さが増すためにスピードが速まり、長時間台風がとどまることなく通過していくのです。
スピードが速い分、発達している台風だと局地的に大雨や風の勢いが強まることもあり、台風後の被害が大きくなることもあるので注意が必要になってきます。
今後地球の温暖化が進んでいくと、海水の温度が地球規模で高くなると予想されます。そうなれば、台風の発生件数も増加して日本にやってくる台風の数も増えてくるでしょう。
また、今はまだ夏の中盤以降から秋にかけてが多いですが、その期間は長くなることも考えられます。台風の問題だけではないですが、地球温暖化がもたらす影響は台風にもあるわけですね。