熱中症の症状で吐き気が続くときの正しい対処法は?
真夏の暑い季節になって来ると、熱中症になって体調を崩す方が増えて来ます。
その熱中症の症状の1つに、吐き気があります。
吐き気が出てしまうと、すぐに回復するということはなく、時間がかかります。
吐き気の症状があるということは、熱中症で脱水が進んでいるということなので、素早い対処が必要となってきます。
熱中症では症状が急激に進行することが多いので、正しい対処法を覚えておきましょう。
今回は、熱中症の症状で吐き気が続いた時の対処法をご説明していきます。
熱中症で吐き気がする理由
熱中症で吐き気が出る原因ですが、脱水症状が影響していると考えられています。
熱中症になると、身体の体温を下げようと大量の汗をかきます。
大量の汗の中には、ナトリウムやマグネシウムなどのミネラル分が多く含まれています。
このミネラル分が体外へ排出されてしまうと、体内の電解質バランスが崩れて脱水状態となります。
脱水状態になると、体内の血液量はぐーんと減ります。
体内の血液が減少すると、全身へ巡る血液が足りなくなり、内臓への血液も滞るのです。
胃や腸へ十分な血液が流れないと、身体が危険サインとして吐き気や嘔吐といった胃腸障害をもたらすのです。
熱中症で吐き気がある場合の対処法
熱中症の影響で吐き気がある場合には、熱中症の症状を緩和させます。
①涼しい場所へ移動する
熱中症は、体内に熱がこもった状態です。
ですので、屋外にいる場合で屋内に移動出来るときには、クーラーなどが効いた涼しい部屋へ移動して下さい。
もし、屋内に移動する事が困難な場合には、木の下など日陰で風通しの良い場所へ移動して下さい。
②身体を冷やす
保冷剤や冷たいタオルなどで、身体を冷やします。
動脈は血管が太くて冷やすと体内の熱が下がりやすいので、動脈を中心に冷やしていきます。
動脈は、首の横や後ろや脇の下、鼠径部などにあるので、そこをポイントにして冷やしましょう。
寒気があったりする場合には、クーリングの数を減らすか、うちわや扇風機などで遠目に風通しをするようにしましょう。
③水分補給
吐き気は脱水状態からきているので、水分補給を行います。
経口補水液やスポーツドリンクなど、塩分の入った飲み物で水分を補給します。
一気に飲むと、吐き気が強くなってしまったり嘔吐につながるので、少しずつゆっくり飲んでいきます。
④安静
症状が治まるまでは、安静にしています。
急に動いたり立ち上がったりするのは、身体の負担になるため、動く場合にはゆっくりを心がけます。
吐き気がある場合の注意点
上記の対応をする場合、注意して欲しい点が2つあります。
- 横になる姿勢
- 水分補給
【横になる姿勢】
吐き気が強く、少し休みたいときに横になると思いますが、仰向けで寝るのは辞めましょう。
吐き気がある場合は、いつ嘔吐するか分かりません。
大人であればなんとか対処できるかもしれませんが、子供や高齢者は突然の嘔吐に対応するのは難しいでしょう。
仰向けで嘔吐してしまった場合、吐物で窒息する可能性があります。
また、誤って誤飲してしまう可能性も考えられます。
ですので、仰向けに眠るのは避けましょう。
正しい姿勢は、顔を横に向けるか身体を右下に向けるようにして、しっかり横に向けるのが良いでしょう。
また、足に座布団やクッションなどをはさみ、少し足を高くすると血液循環が良くなって楽になります。
【水分補給】
脱水状態だから、すぐに水分補給をしなくてはと思うかもしれませんが、吐き気がある場合には慎重に行うことが大切です。
水分を一気に口にすると、その刺激で嘔吐してしまったり、吐き気が強くなってしまいます。
さらに状態を悪化させてしまう可能性があるので、1口飲んでみて5分ほど休憩します。
そこで大丈夫であれば、さらに1口飲んでみます。
1口1口吐き気が増強していないか確認して、500㎖を1時間程度かけてゆっくり飲用するようにしましょう。
こんな場合には、すぐに病院へ
- ぐったりしている
- 水分を飲んでもすぐに嘔吐をして繰り返す
- 嘔吐と一緒に下痢をしてしまう
このような場合には、脱水が重症化しているので、病院で点滴などの治療を受けるしかありません。
少しでもおかしいと思ったら、速やかに病院へ受診しましょう。
素人判断が一番危険なので、おかしい!と思ったら、病院で診てもらうのが一番安全です。