医療費控除って何ですか?対象者と還付金について調べてみました。
今までに、確定申告を自分自身で手続きしたことはありますか?
確定申告の時に医療費控除の申請を行うと還付金として戻って来るのですが、そもそもこの医療費控除というのは、どういったものなのかご存じでしょうか?
なんとなく聞いたことがあるけれど、自分が対象者なのかもあやふやですし、制度自体いまいち分からないっていう方も多いのがこの医療費控除。
また、対象者であるにもかかわらず、いままで申請をしていなかったという人も意外と多いのではないでしょうか?
そこで、今回は医療費控除って何?という事から、その対象者・還付金についてをお伝えしていきます。
医療費控除とは
医療費控除とは、1年間で支払った医療費に対してその医療費の合計が一定金額に以上に達した場合、確定申告を行うことで所得控除を受けられるという制度です。
もう少し簡単に説明すると、払いすぎた分の税金が、申請することでその分返ってくるというものです。
よく医療費控除を受けると、今までかかった医療費が全額返ってくるのでは?と思う人がいるようですが、全額返ってくるということはありません。
また、医療費控除を受けたい場合には、必ず確定申告を行わなくてはならないということを覚えておきましょう。
医療費控除ですが、実はその年からさかのぼること5年以内なら申請することが可能なので、数年前に多く医療費を払っていたなんてことがありましたら、一度確認をしてみて下さい。そして、今からでも間に合う分は申請することをオススメします。
医療費控除が受けられる対象者
医療費控除は、基本的に1年間に10万円を超える医療費を払った人に対して発生します。
この1年間というのは、その年の1月1日~12月31日までに支払った医療費が対象となります。
1年間に10万円と聞くと、そんなに医療費がかかってないから無理だと思うかもしれませんが、実は個人のみが対象ではありません。
実は、個人以外に生計を一緒にしている家族の医療費も含まれるのです。
生計を同一にしていれば、例えば大学生などで離れて暮らすお子様の分でも、単身赴任をしているお父さんなどの家族の分であっても、一緒にまとめて申請することが可能なのです。
意外と多いのですが、医療費控除と健康保険を一緒に考える方がいます。
共働きで夫婦ともに健康保険が違って、お子様がどちらか一方に入っているので、家族全員の医療費が合算が出来ないと思っている方がいます。医療費控除の場合は、健康保険と医療費控除は全くの別物なので、生計が一緒の場合は家族全員分合算してくださいね。
ちなみにですが、家族全員分の所得税は累進課税ですので、家族の中で一番所得の多い人が家族の分もまとめて医療費控除を申告すると、税負担を減らせる額が大きくなるのでお得になります。
控除の対象となるものと、ならないもの
先ほど、医療費が10万円を超える場合と説明しましたが、この10万円の医療費に関して対象になるものとならないものが存在します。
控除の対象になる医療というのは、基本的に治療目的によるものになります。
医師の診察や処方などが治療目的にあたります。
予防的なもの(予防接種や病気予防・美容目的など)については、対象外となってしまうので注意が必要です。
詳しい説明は、国税庁のHPに記載されているので、参考にしてみてください。
医療費控除の還付金
医療費控除は、還付金として確定申告後に受け取ることができます。
おおよそどのくらいの金額が還付されるかというのは、医療費控除分に所得税率をかけることで計算できます。
ちなみに、所得金額が高いほど使った医療費に対して還付金が返ってくる割合も高くなります。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超695万円以下 | 20% | 42万7,500円 |
695万円超900万円以下 | 23% | 63万6,000円 |
900万円超1,800万円以下 | 33% | 153万6,000円 |
1,800万円超4,000万円以下 | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円超 | 45% | 479万6,000円 |
<例1>
課税所得300万円、控除対象になる医療費控除分10万円の場合
医療費控除分10万円×所得金額の税率10%=還付金10,000円
<例2>
課税所得600万円、控除対象になる医療費控除分20万円の場合
医療費控除分20万円×所得金額の税率20%=還付金40,000円
自分で確定申告をするのはなかなか手間で、サラリーマンをしているとなかなか時間が取れないという方も多いでしょう。
ただ、申請すれば収めた税金が戻ってくる可能性がありますので、この機会に是非チャレンジしてみてください。