汗っかきは代謝が良いって事?汗と代謝の本当の関係は?
『汗っかき』と聞くと、皆さんはどのような言葉をイメージしますか?
燃焼、分解、汗、基礎代謝など、なんとなく健康にまつわる言葉が多く考えられますよね。
そして、その答えをまとめていくと、結果的に多くの人は汗っかき=代謝が良いという解釈をしているのではないかと思います。
そして、多くの方がその関係性をイメージしているかと思いますが、本当に汗っかきの人は代謝が良いということは正しいのでしょうか。
そこで今回は、汗っかき=代謝が良いという関係性の真実をお伝えしていきます。
汗をかくということはどういうこと?
汗をかくということは、とても大切な役割を果たしています。
その大切な役割というのは、人間の体温を調節しているということです。
私たち人間は、体温を36℃~37℃台の一定の値に保ち生命維持をしています。
主に、脳にある視床下部という部分が身体中に指令を出して、熱くなりすぎた部分を冷やそうと試みるため、汗を排出させます。
実際に汗が出た時に汗の水分が皮膚の上で蒸発され、その時に身体の熱を奪う事で体温を下げて調整しているのです。
汗というのは、発熱、気温の変化、運動後など、体温が一定以上に上がったときにかきます。
熱が体内にこもったままでは、生命維持をする上で大変な事になってしまうため、瞬時に脳下垂体で指令が送られます。
汗の多くは脳で体温の異常を感知したときにかくものなので、自分で止めようとしたり、出そうとしたりなどの汗をコントロールをすることはできません。
代謝ってそもそも何?
代謝とは、外部から取り入れたエネルギーや栄養素を消費することをいいます。
代謝をすると体温が上がり、上がった分の体温を調節するために汗をかきます。
代謝には以下の3つの種類があると言われています。
- 基礎代謝
- 生活活動代謝
- 食事誘導熱代謝
【基礎代謝】
私たちは、何もしなくてもカロリーが消費されています。
簡単に言うと、自動的に毎日の生活の中でカロリーを消費しているのです。
この生理的に人間が生きていく上で必要な活動エネルギー量のことを、基礎代謝と呼びます。
【生活活動代謝】
生活をしている上で、家事や運動などの1日の生活で身体を動かすことによってエネルギーが消費されることを、生活活動代謝と呼びます。
【食事誘導熱代謝】
名前の通り食事をしたときに起こる代謝です。
食べ物を食べたり消化したりするときに内臓が働き、エネルギー源が消費されることを指します。
汗と代謝の関係
タイトルにもありましたが、結局のところは汗かっきは代謝が良いと言うことなのですが、半分正解で半分は違うということなります。
というのも、代謝が良いとエネルギーを生成する力が強く、さらにエネルギー消費も活発なので、汗をかきやすく汗っかきになりやすいです。
しかし、代謝が良い場合の汗っかきは、基本的に良い汗と言えます。
では、半分違うと先ほど書きましたが、それはなぜでしょうか?
実は、代謝が悪くても汗っかきであるという人が実在するのです。
どのような人が代謝が悪いのに汗をかきやすいかと、いうと以下の通りです。
- 肥満気味・肥満な人
- 冷え症の人
- 運動不足の人
- ストレスの多い人
【肥満気味・肥満な人】
肥満の人は、体内の脂肪が分厚く蓄積されている状態です。
脂肪が厚い分、痩せている人に比べて熱の放散が上手く出来ずに体内にため込みがちです。
肥満の人は、その熱を体外へ放出して体温を下げようと、普通の人よりもその機能が働くので大量の汗をかきやすく汗っかきとなっています。
【冷え症の人】
冷え症の人は、血液循環が悪く水分なども体内にため込みやすい為に、身体全体的にむくみやすい状態となっています。
その結果、身体の中では循環をよくしようとしたり、水分の排出を促そうとして体内を温めようと熱を発生させるので、大量の汗をかきやすくなっています。
【運動不足の人】
運動不足の状態が長期間に渡って続くと、汗腺がだんだん弱ってきます。
そうすると、弱った汗腺を補うようにして他の部分から集中して汗が噴き出してしまうため、逆に一部分に汗が集中するので汗っかきになったような状態になります。
決して全体的に汗の量が増えているわけではないのですが、そのような錯覚を起こしてしまいます。
【ストレスの多い人】
ストレスが多いと、自律神経に不調が生じます。
ストレスが多いと交感神経が優位に立ち、汗をたくさんかくように指示されるため汗っかきになりやすくなってしまいます。
このように、代謝が良い悪いに関係なく汗っかきの人は普通にいますので、一概に汗っかきだから代謝が良いというわけではないという事を皆さん知っておきましょう。
ただ、普段から汗をかくことは良い習慣になりますので、積極的に汗をかく活動をすることをお勧めいたします。