尿路結石を予防する為の食事をご紹介いたします。
日常生活において、尿路結石という言葉はあまり耳にする事はないかと思います。
ただ、尿路結石の患者は年々増えていて、その原因の多くは普段の食事だと言われています。
近年、欧米化スタイルの食事を好む人が多くなり、肉食などが中心となって、栄養のバランスが悪くなっているということが大きな問題となっています。
結石は、特定の食べ物で出来やすいですが、食事内容をしっかりと見直して気をつける事が出来れば、多くの場合で事前に予防することが可能です。
そこで今回は、尿路結石を発症させないために予防できる食べ物や食事の仕方などご紹介します。
尿路結石を作ってしまう食事
尿路結石の70~80%は、シュウ酸カルシウム結石と呼ばれる、カルシウム結石が主成分です。
シュウ酸は、体内に入るとカルシウムと結合して余分なものは体外へ排出されるのですが、日本人はカルシウムの摂取量がやや少ない傾向にあります。
カルシウムが不足してしまうと、シュウ酸の体外排出が上手くいかずに、濃度がどんどん高くなってしまいます。
濃度が高い状態が続いてしまうと、結石が出来やすい環境が続いてしまうので、結果として尿路結石が発症してしまうのです。
シュウ酸は、意外と私たちが良く口にする野菜や飲み物などに多く含まれています。
- ほうれん草
- タケノコ
- さつまいも
- ブロッコリー
- 大根
- トマト
- チョコレート
- 紅茶
- コーヒー
- ビール
など、まだまだ上記以外にも多くの食べ物に存在しています。
また、シュウ酸だけではなく肉食を中心とした動物性タンパク質など、欧米化した食事も結石を作りやすいのです。
肉食などの生活を続けていると、尿が酸性に傾きます。
酸性になることで、尿路結石が出来やすくなっているのです。
近年では、欧米化スタイルの食事を好む人が増えてきたため、日本人にも結石を抱える患者が増える原因となっています。
尿路結石を予防するための食事法
- シュウ酸の多いものを食べすぎない
- 動物性タンパク質を含むものを食べ過ぎない
- 糖類・塩分を取り過ぎない
- 1日に水分を2ℓを目安に飲む
【シュウ酸の多いものを食べすぎない】
シュウ酸の多い食べ物は、上記でもあげたようにたくさんあります。
まずは、普段の食生活でシュウ酸が含まれているものを多く食べている場合には、減らすようにしてください。
また、もし食べるのが心配だったり食べすぎたとしても、カルシウムが豊富な食材と一緒に食べると安心です。
カルシウムは、シュウ酸と結合して吸収を抑制し、体外へ排出する働きをしてくれます。
カルシウムは、乳製品や小魚、大豆製品などに多く含まれているので、上手に摂取してシュウ酸の吸収を抑制させましょう。
【動物性タンパク質を含むものを食べ過ぎない】
肉類などをはじめとする動物性タンパク質は、尿酸値が上がってしまいます。
また、プリン体を多く含む食材も尿酸値が上昇しやすく、食べ過ぎは控えるようにしましょう。
尿酸値が上がると、尿酸結石が出来やすくなってしまいます。
【糖類・塩分を取り過ぎない】
ジュースやお菓子類などの砂糖がたくさん入ったものや、塩分が多く含まれた物を食べると結石が出来やすいと言われているので、必要以上の間食は避けたり、料理の味を薄味にするなどの対応をとりましょう。
【1日に水分を2ℓを目安に飲む】
水分摂取を行うことで、尿量が増えて結石の成分が薄まるため、予防へつながります。
食事でも水分をとるとは思いますが、この水分摂取は食事でとる以外に摂取することが必要です。
ただ、水分も何でも良いと言うわけではなく、緑茶やコーヒー・紅茶などはシュウ酸が多く含まれているので、出来れば水や麦茶などのシュウ酸がほとんど入っていない飲み物を摂取すると良いでしょう。
結石予防に効果的な栄養素
- カリウム
- マグネシウム
- 食物繊維
- クエン酸
上記であげた栄養素は、結石の生成を抑制する効果があるとされています。
野菜類や海藻類、果物などに多く含まれています。
結石は食事をバランス良く適切な量に制限して食べれば、ほとんど発症する事はありません。
しかし、結石を発症したあとに食事などを見直さなければ、再発率は5割以上とも言われています。
結石を発症した事がある人もない人も、食事には注意して生活するようにしましょう。
日本食に限れば、ほとんどの場合で発症する確率は低いと思われます。
日本人には日本食が合うので昔から食べられて来ていますので、発症したことのある方は、日本人本来の食事を心がけると良い方向へ向かうのではないかと思われます。